第8章 クラス会議(2)

第8章 クラス会議(2)

 

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毎日やる意味

人生の様々な重要な場面で子どもたちにとって、コンプリメントを通してグッドファインダー(ポジティブな部分を見つけられる人)(トーマスJピーターズが、エキセレンスオブサーチの本のなかで使っていた言葉です。)になるために学んだり練習したりすることも、敬意の含まれた解決策を見つけるためのブレインストーミングを通して問題解決能力を発達させることも同じくらい有益です。

 

これらのスキルは勉強と同じくらい重要であり、毎日やるということをベースに練習する必要があります。

 

私はよく先生たちに尋ねます。

 

生徒が読解や数学を身に付けあるためには週に1回だけ十分ですか?と。

 

彼らは必ず「いいえ」といいます。

 

なぜ違うのかを尋ねると、先生たちは、読解や数学のスキルを身に付けたり、維持するためには、毎日やることが生徒たちには必要だと答えます。

 

それから私は尋ねます。

 

では、生徒たちがよりよい人生を送るために必要なソーシャルスキルやライフスキルを身に付けたり、維持したりするために、週に1回だけで(しかもそれがただ聞いて終わりだとしたら)、十分でしょうか、と。

 

ようやくそこで納得します。

 

議題にあげる効果

何か問題が起きると、生徒たちには、これを議題としてクラス会議にあげるかどうかを尋ねます。

 

ただこれだけのことだとしても、問題解決策を考える前に落ち着かせる時間を子どもたちに与える一方、その場ですぐに子どもたちを満足させられることがあります。

 

ある先生が異議を唱えました。彼女の受け持っている特別支援級では、彼らが感情的になってしまったら、すぐに何らかのサポートが必要だと言いました。

私は、その問題を議題にあげてみて、どうなるか見てみましょうと提案しました。

 

彼女は後日報告してくれました。

 

子どもたちは明らかに感情的に揺さぶられていたのですが、議題シートのほうに歩いていき、そこに議題を書いたことで、落ち着いて、その場を離れました。

 

子どもたちにとって、彼らの問題がいずれ話し合われるということを知らせるだけで十分なのでした。

 

 

再度、毎日行うことの意味

話し合う前に、少なくとも1日の「落ち着く期間」を持つことを提案しています。

 

しかし、三日以上待たなければいけないと勇気をくじかれることとなります。

 

つまり、週に1回のクラス会議ではあまり効果がないということです。(幼い子どもにはもと短い時間でもよいでしょう。幼児であれば1時間でも十分でしょう。)

 

議題にあげることで、ちょっとした落ち着く時間を持たせることができます。

 

 

自分たちで問題解決するようになると

生徒たちが先生よりもうまく問題解決することがよくあります。

 

それは、単純に先生よりも生徒のほうが人数が多いので、ブレインストーミングをやる過程で、たくさんのユニークな解決策がでるからです。

 

子どもたちは意見をいうことを許されていて、それを表現できるだけ勇気づけられていれば、すばらしいアイディアをたくさんあげてくれます。

 

そして、最終的にはしつけに関する多くのことがなくなっていきます。なぜなら、彼らは話を聴いてもらえて、親身になって考えてもらい、そして、彼らの考えやアイディアを認めてもらえると、勇気づけられたと感じるからです。

 

子どもたちはまた当事者意識を持つこともできます。そして、自分たちが生み出したルールや解決策に従おうと動機づけられます。

 

そして、子どもたちがその決定に関わっていれば、たとえその提案が今まで先生が何度もずっと提案しつづけてきたことで、全く機能しなかったことだったとしても、子どもたちは非常に協力的になるということに先生たちは気づくことになるでしょう。