(クラス会議に対する)先生の姿勢とスキル
1:コントロールを手放し、協力へ誘う
学級でのポジティブディシプリンガイドには、先生がクラスでポジティブディシプリンを使うためにその根拠となるような体験型のアクティビティも含まれています。
「座ってなさい」というアクティビティでは、3人一組になります。
それぞれの3人組のなかで、1人は椅子に座ります。
ほかの二人は大人の役で座っている生徒の後ろに立ち、肩に手を乗せます。
生徒は、椅子から立ち上がろうとし、大人は椅子から立ち上がらないように抑えつけます。
このアクティビティを通して、すべての役柄に、何を考え、感じ、これからどうしようと決めたのかということを尋ね、コントロールによる短期的、長期的な結果などあらゆることをディスカッションしてもらいます。
生徒役をした生徒からは、怒り、憤怒、あるいは完全に勇気をくじかれたという気持ちを共有してくれます。
彼らはまた、勇気をくじかれて存在価値が失われた状態で、大人のコントロールを打ち破る方法や、やり返す方法、諦めたり、どうやって従うかということをひたすら考えることを決意したということをシェアしてくれました。
大人役をロールプレイしていた人は、演じていたとしても、どうやってコントロールしようかという思いがでてきてしまったことをシェアしてくれました。
この話し合いは、いかに簡単に長期的目標を忘れて、権力闘争に陥ってしまうかということを示してくれました。
当事者全員が勝ち負けの思考になっていたのです。
例え大人が勝ったとしても、そこには生徒を敗者にしたという価値しかないということを誰も考えることはしないでしょう。