第15回 ポジティブ・ディシプリン
第1章 ポジティブ・ディシプリンとは?
制限を設定する つづきのつづき
本文より:一連の出来事から子どもたちは、自分が選択することやそれに対するふるまいなどを学ぶことができます。
もし子どもと車の貸し借りに関して、「車に乗ったら、ガソリンをちゃんと入れておく。そうでなければ、車には乗れない、あるいは、それに相当する支払をすれば乗れる。」という約束をしたとします。
あなたがちゃんとその約束にそって行動していけば、彼がそれをやらなかったらどうなるのか、ということから何かを学ぶでしょう。
もし、子どもがガソリンを入れていなかったら、ほとんどの親は説教をしたり、今回だけよ、といったり、救ってしまったり、叱ってしまったりするでしょう。
ただ本当は、「今回あなたが使った分のガソリン代を支払ってくれれば、いつでもまた使ってね。」といえばいいだけなのです。
多くの親は、そのとき車を使わせないというのは厳しいし、フェアじゃないと思うようです。
特に、子どもがとても大切なことだと伝えていた場合に、何もしないことで、子どもが傷つくのはよくないんじゃないか、と。
自分(親)にとっては不都合でしょうが、仕方がないな~といって車を使わせるのではなく、(車を使わせず)親が運転して送っていくか、友だちに乗せていってもらうか、自転車でいってもらうかするほうがよいでしょう。
こういったちょっとした不便からのほうが、そのときは不便かもしれませんが、自分の行動から学ぶということができ、長期的に見れば多くの学びがあるのです。
コメント:約束を守らせて、自分の思い通りにさせることが子育てではないと思います。ルールを守るということはどういうことなのか、それを破ってしまったとき、どのようにリカバリーするのか、ということを体験し、身につけていかせることが子育てなのかもしれません。目の前の出来事に目も心も奪われてしまいそうですが、そこで一体子どもがなにを学べるのか?ということを考えられるといいかもしれませんね。
本文より:このように一連の経験の中から物事を学んでもらいたいときは、子どもを巻き込むことが大切です。
どのようにしたら解決できるだろうか?といっしょに考えるのです。
本人だけに任せるよりも一緒に考えて合意を得た方が効果は高いです。
次の例は、ボール遊びの解決策を考えるときにした質問です。
お父さんはいいました。
「もしリビングでボール遊びを続けるとしたら、どんな問題が起きると思うかな?」
子どもは少し考えて、いくつかの答えました。
「とても楽しいかもしれないけど、モノを壊すかもしれない。そしたら、お父さん僕を怒るよね。 犬を興奮させてしまうかもしれない。うるさすぎるかもしれない。」
お父さんはいいました。
「そうならないようにするには、どんな解決策があるかな?」
子どもはいくつかの提案をしました。
「もし軟らかいボールで遊ばないのであれば、外で遊んだほうがいいと思う。」
子どもたちはまた考えました。
リビングルーム以外で遊ぶのもいいかな、と。
お父さんはまた尋ねました。
「あなたの考えていることは、ルールを守れなかったときに、ボール遊びについて関係のあって、尊敬の念があって、合理的かな?」
そうやっていろいろ話をして、子どもたちは、もしうまくてきなかったら、外で遊ぶか、遊びをやめるか、ボールをしまい、また次の日に遊ぶというルールに同意しました。
子どもたちはこの解決策をいっしょに考えたので、親がそのルールに則って行動しようとするときは、協力的です。
子どもたちは、たとえルールを守れなくても、傷ついたりすることはありません。
もちろんこのルールを実行するときに、子どもたちの残念な気持ちに共感することは問題ありません。共感すればいいと思います。
8才のブレントは、怒って、ふくれっ面をしていました。
プールで遊ぶ代わりに、芝生の上で10分間座っていないといけなかったからです。
プールで走ったり、だれかをプールに落としたりしたら、こんな風になることを事前に話し合って知っていたとしても、子どももは怒ってしまいます。
お父さんは隣に座って言います。
「待つのを我慢するのは大変だよね。でも、すぐにもう一度トライできるからね。待っている間、レモネードでも持ってこようか?」
ブレントは不機嫌なまま答えます。「いらない。」
でも、それからこんな風に尋ねました。
「お父さん、その代わりオレンジを持ってきてくれる?」
このちょっとした工夫は、一つの問題に集中させるということです。他の家族にもぜひこういった工夫について尋ねてみてください。
コメント:英語ではトリックと書いてありました。確かにちょっとそらす感じですよね。でも、プールに入らずに10分待っているというところは外していないわけだから、ありといえばありでしょうね。一つの物事に囚われていると、ずっとそのことで不機嫌でいてしまうことがありますからね。ルールを破ったんだから、それに対してちゃんと反省していないじゃないか!というような声が聞こえてこないこともないです。でもそんな風に嫌な気持ちにさせることはないということです。
本文より:もし子どもの考えが不適切なものである場合は、制限的選択肢を使います。
たとえば、もし子どもがこんな風にいったとします。
「それ、絶対やりたくない。」
そんなときはこんな風に言うことができます。
「朝食の前にやってもいいし、夕食の前でもいいわよ。まったくやらないという選択肢はありません。」
コメント:私も時々使いますかね。相手の行動に変な注目をせずに、考えるべきことを提示する。だいたいそんな風にいうときは、子どもだってやらなきゃいけないなって思っていることも多いような気もしますしね。やらないことにうだうだ言い訳をいうために脳を使うくらいなら、建設的に脳を使えるようにサポートとして、こういったことをやるのはありだと思います。
ようやくこれで「制限を設定する」が終わりました。ある意味躾けるときのやり方でしょうね。ルールの設定とも言えるでしょうね。
ルールを守れるようにするために、ほめたり、叱ったり、勇気づけたりしているのだと思いますが、本来は、ルールを守るということは手段だと思います。それは、
自分で決めることができるんだ。
自分をコントロールすることができるんだ。
自分で判断することができるんだ。
自分は失敗してチャレンジするんだ。
そんなことを学ぶための手段なのだと思います。特に小さいうちは、周りとうまくやるという点よりも、こちらのほうが大切なのかもしれませんね。
そして、何よりも絶対に忘れてはいけない大切なことは、普段の中でよい関係づくり。
ここでは、ルールづくりのことが中心に書かれているけれど、それは全体の生活のなかではほんの数パーセントのこと。
それ以外に日々の生活のなかで、楽しい、うれしい、おもしろい、ありがたい、ということに目を向けていて、それらを感じられていることが大前提。自分も相手も。
ポジティブ・ディシプリンは、様々なスキルが紹介されているけれど、それを大きく包み込んでいるのは、このポジティブな感覚を持てる時間だということを忘れないようにしたい。
次回のポジティブ・ディシプリンは・・・日課をつくる。です。
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