コツコツ訳しています。今回から第6章です。「あなたの言うことを子どもは聞いていますか?」 全14章あります。
第6章 あなたの言うことを子どもは聞いていますか?
あなたとあなたの子どもはお互いのことを本当に聞いていますか?
あなたの発する言葉すべてに対して、なにが起こっていますか?
なぜ子どもはあなたに話をしないのでしょうか。
もし彼、彼女がもっと自分の話していることを聞いてもらえていて、理解していてもらえて、真剣に聞いていると感じていたら、もっと話をしてくれると思いますか?
この章では、あなたも子どももちゃんと自分の話を聞いてもらえていると感じられるやり方をお伝えします。11章では、これまでとは違ったコミュニケーション、たとえば、インターネットやメール、SNSやスマホなどについてです。
あなたが最初に「コミュニケーション」という言葉を聴いたときに、最初に頭に思い浮かべることはなんですか?
おそらく“話すこと”ではないでしょうか?
もしあなたが思春期の子どもの親だとしたら、おそらくあまりにも話してしまっているかもしれません。
ちょっとこちらのテストをやってみてください。
次回、あなたが“話すこと”(説教、リマインド、小言、おだてることなど)をスタートしたら、子どもの顔を見てください。
そして、彼らの目がぐるぐる回っているかどうか、友だちにメールを送りだしたりしてないかどうか、テレビに気がいっていないかどうか見てみてください。
子どもたちはあなたの方を見ているとは思いますが、あなたは話すことに夢中になってしまっていて、子どもたちが、心ここにあらずということに気が付かないでしょう。
もし、あなたが無視されていると感じたら、それは子どもたちが無視されているときにどんな気持ちになるかを感じるよい機会です。
そうなってしまっているころには、子どもは親の言葉は耳に入ってこないようになっているかもしれません。
あなたはこんな言葉を使っていませんか?
“何回言ったらわかるの?私の言っていること、聞こえてる?もうこれまでも何百回もいってるじゃない。”
この言葉は、あなたのやっていることがまったく作用していないということを理解する大きな手掛かりとなります。
あなたが本当に意味することも考えてみましょう。
多くの親がいう、子どもたちが本当に自分の言うことを聞いていない!という不満の本当の意味は、彼らは私に従わない、という意味です。
十代の子どもを持つほとんどの親が話せば話すほど、子どもの関心はどんどん失われていきます。
大切なこと、それは、コミュニケーションに欠かせない要素、“聞くこと”です。
“話すこと”ではありません。
そして、その聞くというスキルは、親が一番トレーニングされていないスキルであるとも言えます。
親が質問します。
“どうして私のことを聞いてくれないんだろう。”
私たちは尋ねます。
“あなたは子どもに対して“聞くこと”ということに関するモデルを示していますか?言い換えるならば、あなたが先に相手の話を聞いてますか?“
“聞く”と言うことに関して、たくさん書かれていますし、語られているので、あなたは、ほとんどの人が聞き方について知っていると思っているかもしれませんが、実は知らないのです。
いろんなことが邪魔をして、“聞く”ということはとても難しいのです。
人はたいてい、耳にしたことを、自分に対して言われていることだと思ってしまいます。
そして、自分の立場を守りたくて、説明したり、訂正したり、言い返したり、あるいは、もっとよいストーリーを話そうとしたりします。
親は特に自分の子どもに関しては、自分のエゴに囚われてしまいます。
つまり、親はすべて自分に対することだとして捉えてしまうということです。
あるいは、親は“話す”ということが、“教える”ためには一番よい方法だと考えを持ち続けています。
たとえそれが、事実として作用していないということが起きていたとしてもです。
あなたは次に書いてある「聞くことを邪魔するリスト」のコピーを、「相手の話を聞く」というプロセスを妨げることを克服するまで、繰り返し唱え続けたいと思うかもしれません。
聞くことを妨げること
1・子どもたちが自分のことを自分でなんとかしようとするために聞く、というよりも、あなたが“よい”親であるために、子どもの課題に踏み込んで、直そうとしたり、救い出そうとすること。
2・彼らが“正しい”感覚や感情を持てるように、子どもの感情や感覚を気にせず話そうとすること。
3・あなたの視点について防衛するかのように説明をすること
4・モラルや価値観について話そうとして、話を中断すること
5・子どものいうことを自分のこととして受け取ってしまって、自分自身が解決できていないことに気がいってしまうこと。
6・子どもが言うことに対して罰や批判、説教で反対すること。
“聞く”という言葉の意味をもう一度考えてみるならば、そのカギとなる言葉は、“沈黙”です。
聞くときは黙っていましょう。
なぜなら、話しながら相手の話を聞くことはできないからです。
子どもたちを集めて、親がよりうまくコミュニケーションをとれるためのコツのリストを作ってもらいました。
10以上のものができました。
そのなかで特に気に入っているものをピックアップしてみました。(このリストを読んでみると、あなたは、これらが10代の子どもたちに身に付けてもらいたい聞くスキルに関してもよいコツとなることが分かると思いますが、親は大人なので、まずは先に行いましょう。)
子どもたちから親へ向けたコミュニケーションを改善するためのアドバイス
1・説教なし
2・短く、優しく
3・見下して話さないで
4・私たちの話を聞いて。途中でかぶせてこないで。
5・何度も繰り返さないで
6・私たちが、自分が間違えたということをがんばって伝えたときは、怒らず、反応しすぎないで。
7・詮索したり、罰を与えないで。
8・ほかの部屋から、私たちに急いでくるように大声で言わないで。
9・“あなたがいつまでたってもやらないから、私がやったのよ!”といって、私たちに罪悪感を持つようにしてこないで。
10・あなたが守れない約束をしないで。
11・兄弟や友達と比べないで
12・私たちのことを友達に話さないで。
次のスキルは、親が誠意をもって、子どもたちの世界を理解しようとし、彼らのリアリティを尊重しようとするときにだけ効果なものです。
あなたの「聞く」を助けるスキル
1・あなたがとっているその行動よりも、その行動の背後にある感情が大事であると気づきましょう。
沈黙であるようにしましょう。
新聞を読んでいるときや本を読んでいるときはいれません。
効果的な「聞く」は、あなたが相手に対して興味を持っているよという開かれたボディランゲージが必要です。
2・それぞれの現実が違うということに対して尊敬の念を持ちましょう。
私たちのものの見方には1つ以上のものがそこにはあるということに心を開きましょう。(あなたが好きだからと言って、ほかのだれかもそれを好きになるということはないですよね。そう、あなたの子どももそうなのです。)
3・共感しましょう。そして言葉で伝えましょう。
“なぜあなたがそのように物事を捉えるのか、そして、そう感じるのかは理解できるわ。”
これは、あなたも同じもの見方をしてくださいということではありません。
ただ、彼、彼女の結論に対して、理解をすればいいだけです。
4・好奇心を持ちましょう。
質問をすれば、子どもはもっといろいろ教えてくれるでしょう。
例えば、“どのようにしたら、あなたをそんな気持ちにするの?
あなたにとって大切なことは何なの?
私があなたを怒らせてしまったときのことを教えて。
どれくらい私は頻繁にしている?ほかにあなたをいらいらさせることはなに?
最後の質問(ほかになにかある?)は、さらなる探求を保証してくれます。
多くの親は、こういった質問をしていくと、子どもたちの見ている世界に対して、理解が深まっていったということを思い出して、共有してくれます。
そして、子どもたちがしたことよりも大切な核となる事柄を理解させてくれます。