コツコツ訳しています。第7章、第8章はとばして、今日から第9章。
第9章 あなたは子どもをイネーブルしていますか?それとも、エンパワーしていますか?
子どもに人生に向けた準備をさせる。
向き合ってみましょう。だれかがあなたを甘やかしたり、私たちが自分のためにやることをやってくれたり、世話をしてくれるととてもよい気分になるときがあります。
しかしながら、親が子供にそれらのことをすることを、“イネーブリング”-子どもが有能であることを止める行動―と呼ばれます。
親があれをやれ、これをやれとあまりにも支配的なことについて子どもは不満を言うかもしれませんが、ずっと“イネーブリング”されてきた子どもは好まないかもしれませんが、子どもは、突然自立的になります。
何が違うのでしょうか。
イネーブリングは、彼らが自分でできることを親がやってしまうことです。それは、あなたの子どもとその子の人生で経験することの間に親が介入することです。
イネーブリングの行動は、しばしば、怖れ、心配、罪悪感、羞恥心によって起こります。
それらの行動は、子どもが自分の人生に起こる出来事に対して対応できないであろうという信頼の欠如を見事に証明しています。
これに対し、エンパワーリングは、子どもとその人生の間の外側にでていますが、サポートや勇気づけのために、控え選手や観客がいるような位置の場所にいます。
彼らが大きな失敗をしてしまったときに手をかします。
あるいは、彼らが非常に困難を抱えており、なにかしらサポートがいるときに手をかします。
それは、彼らのためにやるのではなく、彼らと関わるということです。
あなたは、よい同乗者になれるよう学びましょう。それは、彼らがやらなければいけないことに対して取り組めるだけの能力があると信頼を見せる事であり、また、頼まれればサポートできるということです。
エンパワーリングの行動は、子どもたちに失敗から学ぶ練習をさせ、自己有能感をつくり、鍛えます。
もしあなたがいつもあなたの子どもを救い出したり、コントロールしたりしていたら、あなたがいなくなったら何が起こるでしょうか。
あなたは子どもに、どのように人生の課題に対して、準備をさせていますか?
もし子どもに決して失敗しないように仕向けていたら、彼らは失敗から立ち直るためにどのようにしたらいいのかということを、いったいいつ学ぶのでしょうか。
もし彼らが、支援的な温かい雰囲気(あらゆる感情を認めたり、謙虚な問いかけがある)のなかで、自分の選んだことに関する一連のことを経験し、責任について考えることを許されていなかったら、あなたがそこにいないとき、彼らはどのように自分の選択したことに対する責任をとるのでしょうか。
この章では、子どもたちをエンパワーするツールを教えます。
それは、子どもたちが、自分の内側にある力を築き上げる基礎を与えることになります。(罰や褒美は外側にある力に頼ることを教えます。)
親としてのもっとも大切な目標達成は、あなたの親としての仕事が廃れるようにすること-必要とされなくなること-であり、子どもたちが、自立して生き抜くために必要になる個性、ライフスキルを学べるようにサポートすることなのです。
長期的な視野にたった子育てによって、子どもたちを依存的にすることなく、自立的にすることができるのです。
典型的なイネーブリング行動
・朝、子どもを起こし、彼らの洗濯物を集め、ランチを用意し、彼らの服を選ぶ。
・彼らが自分のお小遣いを使い切ってしまったのに、お金を貸したり、与えたりすること。あるいは、服やお小遣いやほかの何か用にお金を準備しておくこと。
・宿題を代わりにやったり、忘れた宿題や昼食を学校へ持っていくこと。
・子どもが授業をさぼったりしたときに、教師に嘘をつくこと。
・子どもが宿題やそのほかの活動がたくさんあることに対して、かわいそうに思い、家の手伝いをしない言い訳をさせること。
・明らかにうまくいっていないのに、うまくいっているかのように振る舞い、向き合うことをさけること。
・彼らが欲しいものをすべて与えること。-みんなが持ってるから、という理由で。―
典型的なエンパワーリング行動
・何かを直したり、見下したりせず、耳を傾け、感情を認められるようにサポートすること。
・ライフスキルを教えること。
・家族会議や問題解決のプロセスを通して、合意をつくること。
・(見捨てることなく)手放す
・尊厳と敬意をもって、あなたのやることを決意する。
・あなたの考えていること、どのように感じているか、あなたが望んでいることを、説教や、決めたことにこだわること、あるいは、自分の満足を要求することなしに共有すること。