5冊目 東井義雄のこころ
難しいことを言っているわけではないのに、心に届く言葉がたくさんある。
それは東井先生からだけではなくて、その生徒や親からも。
途中、尾木直樹さんの章で、サングラスの話が出てくる。
子どもたちは一生懸命光っているのに、大人がサングラスをかけてしまっているからそれが見えない。
よく「めがね」をかけている、というたとえをする。もう一歩いくと「色めがね」
そして、さらに光さえ遮ってしまう「サングラス」
その「サングラス」とは大人が勝手に決める子どもの理想像。
これが子どもの「光」を遮断してしまっている。
心を磨くってことは、この暗くくすんだサングラスのようになってしまった心のメガネを削ぎ落していくってことなんだろうな。
もう一つ心に残ったこと。
東井先生の「走」という詩にでてくる、かけっこでビリの子が、ゴール間近で「ニヤリ」と笑うところだ。
そう、確かに子どもたちはそんな顔をする。見たことがある気がする。しかり見止めることなく流してしまっていたな、と改めて思う。
どの詩も腹の底にぐっとくる。