こつこつ訳しています。現在第5章「思春期の子どもを動機づけるにはどうすれば?」
子どもと問題解決に取り組む
ウィリーは、いつか自分でかっこいい車を買うために、5歳のころから誕生日やクリスマスで手にするお金をすべて貯金してきました。
そして、ウィリーが免許をとったとき、車を買いに行くといいました。
彼の両親は、
“何を言っているの、まだあなたは免許をとったばかりじゃない。まだ自分の車を持てる状態じゃないわ。”
“でも、僕はずっとこのために貯金をしてきたし、父さんも母さんも今までそんなこといわなかったじゃないか。”
とウィリーは不満を言いました。
“ぼくがやろうとすることを止めるなんて不公平だよ。自分のお金でやることなのに。”
ウィリーとその家族にとって、ゆっくり座って、問題解決の4ステップに取り組むには、絶好の機会です。
問題解決をいっしょにやるための4ステップ
1・子どもは、自分の問題と、したいこと(ゴール)を共有する。
2・親は、親の問題と、したいこと(ゴール)を共有する。
3・もし子どものゴールと親のゴールがかけ離れ過ぎているときは、ほかのオプションを見つけるために意見を出し合う。(ブレインストーミング)
4・子どもと親はお互いが受け入れられるオプションをひとつ取り上げて、短期間でよいので試してみる。
ウィリーと両親は手順に則って話し合いました。
ウィリーの問題は、この車を自分で買うという結果を経験するために、努力の積み重ね、今までずっと待ってきたことでした。
彼は正しいやり方でやってきたと思っていたし、それを完璧に守ってやってきました。
だから、親の車をシェアはしたくありませんでした。
両親は、もしウィリーが自分の車を持ったら、親に何の確認もなしに、車にのってどこに行ってもいいと思ってしまうのではないかと心配でした。
親は、また、彼が車にかかりきりになることで、学校を休んだりしてしまうのではないかということも気にかかりました。
意見を出し合ったあとで、彼らは決めました。
どこにいくか事前に確認すること、どれくらいの頻度で車を使っているかということを確認する限りは、車を自分で買ってよいということになりました。
もし、学校をさぼったら、その休んで遅れた分に追いつくまで、車の鍵は親に預けることになりました。
これは彼がいっしょに同意したことなので、鍵を親に預けることに関しては、もしそうなったとしても、それほど不満は言わないだろうと思います。
しかしながら、たとえウィリーが尊敬の念をもって、いっしょに問題解決に取り組んだとしても、その車の鍵を親に渡すという案は自分の案ではないと思うかもしれません。
ここで大切な事は、たとえウィリーがそう思ったとしても、一旦決まったことは、まずはちゃんとやりきることです。
決まったことをやりきるということだろうと思います。