人はなぜ集団になると怠けるのか
第5章 社会的手抜きとスポーツ
1・スポーツによる社会的手抜き
影響する要因
1・評価可能性
2・集団凝集性(集団の仲のよさ)
3・疲労
2・ホーム・アドバンテージ
最初に日米野球でのホーム・アドバンテージについての比較がある。
どちらもそれぞれ強める要因、弱める要因がある。
5つの観点
1・試合の重要性
レギュラー・シーズンでは日米にホーム・アドバンテージは存在する。
日本シリーズ、ワールドシリーズでは、日本ではホーム・アドバンテージはレギュラーシーズンと変わりないが、アメリカは差がある。
アメリカでは、試合の重要性の違いにより、社会的手抜きが起きやすいと考えられる。
2・移動距離
結論としては、あまり関係ない。
3・観衆要因
観客の数の多さは影響しない可能性が高く、観客の熱心さや評価を気にすることによってホームアドバンテージが起こる。
4・フランチャイズの移動
ホーム球場が変わった場合。アメリカではさほど変わらなくホームアドバンテージがあるが、日本では5年くらいしないとホームアドバンテージは出現しない。
5・ルール要因
先攻か後攻かでは、ホームアドバンテージには影響はない。
この日米差の原因
1・努力観の文化差
2・作戦の違い
そのほかにもプロ野球と高校野球、サッカーについて調査した結果が書かれている。
3・応援の効果
主観的なものと、現実の結果を照らし合わせると、そこに違いがある。
応援されるとうまくいっている気がするが、実際のデータを観察すると、むしろ悪い結果につながっている。
応援は選手のパフォーマンスを阻害する、という結果がでている。
もちろん審判にも影響を与える。
4・八百長
八百長についても確率論から考察されていておもしろかった。