「感情」を伝える、ということ。

Positive Discipline for Teenagers, Revised 3rd Edition: Empowering Your Teens and Yourself Through Kind and Firm Parenting

こつこつ訳しています。

 

私メッセージ形式

 

以下の黒字のところが、私メッセージで使われる言葉です。

 

“私は皿が洗われておらずそのままにされていると、気になるんです(I feel upset)。なぜなら(because)私はきれいなキッチンを見ることが好きだし、きれいなキッチンで料理することがすきだから。だから、私が料理を始める前に片づけてもらいたいな(I wish)。”

 

“あなたが私を見下すと、傷ついた気持ちになります。だから、そうしないでほしいです。”

この場合、「なぜならそれが私の感情を傷つけるからです」、というところは明らかに分かることなので省きます。

 

この私メッセージの形式はフレキシブルです。これはあくまで手引きのようなものであり、ルールではありません。

 

なぜなら、と、してほしいということ、を含むことは、他の人にあなたの考えている全体像についての情報を知ることができるようになるので、非常に有用でしょう。

 

“私はあなたが成績でAを取ったことがうれしいわ。なぜなら、私はあなたが一生懸命がんばっていたことを知っているからね。”

 

このコメントは、人よりも、その努力にフォーカスしているコメントです。

 

“私はあなたが成績でAを取ったことを誇りに思うわ。”

というように言った場合、子どもには、あなたはもしAを取った時はすばらしいと思うし、そうでない場合は誇らしく思えないということが伝わってしまうかもしれません。

 

子どもは、どんなことがあったとしても、あなたの誇りであるということを知る必要があります。

 

“私はあなたがFを取ると、心配になるの。なぜかというとね、わたしはあなたにとって有益なことを逃してしまっているのではないかと思ってね。学ぶということがあなたにとってどういうことを意味するのかということを、ちょっと違った面でみてもらえないかしら?”

 

個人を攻撃するのではなく、このコメントのように、子どもに自分の行動が自分の人生にどのような影響があるのかということに目を向けさせてみてはどうでしょうか。

 

“私はあなたが弟をたたいていると、すごく怒りを感じるの。なぜなら私は暴力が嫌いだから。もうちょっと違うやり方であなたの気持ちを伝えてほしいし、あなたが欲しいものを手に入れるためのほかのやり方を考えてほしいの。”

 

このコメントは、あなたの子ともに、怒りの感情を持つことは悪いことではないけれど、それによってほかの人を傷つけることはよくないことだということを伝えます。

 

また、暴力をふるってしまうときに、どのようにしたらいいのかということをあとで考えるための余地を残しています。そして、親も子どもももうちょっとよい雰囲気のときで、たとえば家族会議やほかのときに話し合うことができます。

 

そのときに、怒りを感じた時や自分が何かを手に入れたいときに、暴力以外でどのようなことをすればよいのかというリストを作ることもできるでしょう。