コツコツ訳しています。現在第5章「どのように子どもを動機づけるか」 全14章。
実生活でのフォロースルー
あなたの行動が変わると、子どもの行動も変わります。
子どもたちは、期限のある合意を形成すると、信頼されているときのように、対等さと責任を感じます。
13歳のコリーは、決まり事に合意したのに、服を洗っていなかったり、ベッドのシーツを替えなかったりしていました。
コリーの母親のジェイミーは言いました。
“あなたの洗濯物について話しがあるの。夕食のあとに時間を取りましょう。”
彼らは椅子に座って、ジェイミーはコリーに尋ねました。
“あなたの洗濯物についてやるべきことは何だったかしら。”
そうすると、彼が実はあまり洗濯機の扱い方を知らずに、壊してしまうのを怖れていたということが分かりました。
ジェイミーは彼女の気になることについて話しました。
それは、彼が汚い服を着て学校にいっているところを見たり、不潔なシーツの上で寝ていることが嫌だということを話しました。
コリーはいいました。
彼は洗濯をしようとするんだけれど、洗濯機を使うときに助けがいるとういことをいいました。
ジェイミーはうなずきました。
“では、今週のどこかの日に、洗濯機のやり方を教えるから、1日選んでくれるかしら。時間は6時に洗濯機の前で。あと何曜日に洋服を洗って、シーツを替えるかということも選んでもらいたいわ。私たちのような大家族だと、だれがいつ洗濯するか分かっているのが一番いいと思うの。
1時間後にあなたがどの曜日に選択するかを聞きに戻るからね。”
1時間後、コリーは言いました。
彼は火曜日が洗濯機の扱い方を教えてもらう日にして、その日を自分の洗濯の日にする、と。ジェイミーは言いました。
“分かったわ。では火曜日の6時に洗濯機の前ね。
火曜日になり、ジェイミーは約束通りの時間に洗濯機の前にいきましたが、コリーはそこにはいませんでした。
ジェイミーはコリーがテレビの前に座っているところを見つけました。
そして、いいました。
“洗濯機の使い方レッスンで一番よい日を決めたことを覚えてる?”
コリーはいいました。
“あぁ、お母さん、今やりたくないんだよ。このテレビを観てるんだよ。”
ジェイミーは友好的にそして、毅然とした態度で、いいました。
“私たちが決めたことは何だったかしら?”
コリーは答えます。
“6時でしょ。でも、あとでやるから。”
ジェイミーは親しげに、でも、期待を込めた目で、彼の目の前に立ちました。
コリーはようやくいいました。“わかったよ。まったくばからしい。”
このいやみに反応する代わりに、ジェイミーはシンプルにいいました。
“私たちの決まり事を守ってくれてありがとう。”
毎週火曜日、コリーと彼の母親は同じようなルーティーンを繰り返しました。
ジェイミーはいいました。
“あなたが洗濯物とシーツを替えると決めた日を思い出して。”
たとえどんなにコリーが反論してきても、あるいは、意地悪な言葉をいってきても、ジェイミーは説教や非難を避けて、シンプルに友好的な姿勢でやり通しました(フォロースルー)。
彼女はコリーが洗濯やシーツを替えることを進んでするようになることは、ありえないということは分かっていました。
でも、彼女にとって、家のことを手伝ってもらうことはとても重要でしたし、決めたことを最後までやるということを身に付けることはとても大事だと思っていました。
彼女は、余計な結果はさけ、単純に決まり事をやりぬくということをやりました。
ジェイミーはコリーにリマインドなしでやってもらうことを諦めました。
13歳。コリーは洗濯ものをするよりも、新しいスケートボードどうしたら買ってもらえるか、あるいは成績の悪いカードを父親にどうやって伝えたらいいかということ考えているんだろうなということを認識しました。
そして、週に1回だけれど、そうやってやり抜くということは、権力闘争にならない限りは、やる価値があると決めました。
最後には、コリーがリマインドなしで、自分の洗濯ものをやるようになったことは、彼女にとってはうれしいことであり、驚きでもありました。
あなたがやり抜かないとき子どもが学ぶこと
1・彼らは約束事を守る必要はありません。もしあなたが守らないなら、なぜ彼らが守らないといけないのでしょう。
2・あなたの言葉は何の意味もありません。ただ煙を吐いているようなものです。彼らはあなたがやったことを見習います。
3・操作することは、責任逃れとして作用します。
4・彼らはすべてのことから逃れることができるでしょう。なぜなら、あなたがやり抜くことによって、彼らに信頼を与えていないからです。
5・愛とは、負けを受け入れること。