思春期は、身体的にも感情的にも変化を経験する

思春期は、身体的にも感情的にも変化を経験する

子どもたちが好む好まざるにかかわらず、その生物学的プロセスとして必要であるがために、身体的にも性的にも成熟していく経験をしていきます。

 

混乱し、矛盾する感情を引き起こすうえに、子どもたちは、自分の変化の進み具合を心配します。

彼らは、自分の成長が友だちに比べて早すぎるとか遅すぎるとか考えるかもしれません。(多くの親はゆっくり成長してほしいと思っているようですが、一人一人のパターンがあるので、どうしようもありませんが。)

 

身体的成熟はの過程は、急であったり、非常に影響の強いホルモンが関わる変化であるため、心を振り回します。

何の前触れもなく、ちょっと明るく元気だと思ったら、急に噛みついてくるのです。

さらに、子どもの中には、その急激な体の成長により、実際に体が痛みを感じる「成長痛」を経験する子どももいます。

 

思春期は、ほとんどの研究者は脳の発達の2回目の大きな変化の波だと信じています。

思春期には、驚くようなホルモンのたくさんの分泌と脳の発達が起こるのです。

「大人」であるための衝動のコントロール、感情のやりくりと調節、問題解決といった機能に大きく影響している前頭前皮質が、まさに成熟しているところなのです。

 

子どもたちは、感情で物事を進め、大脳辺縁系(原始脳と言われる)を通して、決断をします。

言い換えるならば、彼らは他人に反応するときに、自分の感情をはっきりさせ、本能的直感で物事を決めるのです。

これにより、子どもたちは、衝動的であり、急激であり、リスクを冒しがちということが言えるのです。

 

彼らは自分のもっている感情がなんなのかをはっきりさせるためのサポートが必要です。

そして、本能的直感と思考を繋げるサポートが必要です。(このことについては第6章で詳しくお伝えします。)

脳の発達は、愚かな選択や行動の言い訳ではなく、親や先生が、なぜ彼らが、それらをつなげることを必要とするか、なぜ優しさと毅然としたしつけが必要とされるのか、なぜよりよいライフスキルを必要とするか、ということを理解する手助けとなります。(そして、忍耐、多くの忍耐が必要だということも!)

脳の発達を理解することは、大人が子どもの行動と接するときに、踏み込んではいけないところをはっきりとさせ、個人的感情を少なくし、静かに、優しく、そして、毅然とした態度をとり、最後までやり抜く姿勢を取れるように手助けしてくれます。