成功体験よりも大切なこと

成功体験(そもそもなにが成功で、何が失敗かなんてことを定義できるのか?というところはあるけれど、それは置いておいて)

自己肯定感を高める、そういった関係のときによく出てくる言葉。

しかし、ずっと違和感がある。

そこに至るまでのプロセスを考えていないような気がするから。

 

そもそも「成功」するためには、「チャレンジ」をする必要がある。

しかも、それができる限り「本人の意志」ということがよい。

「いや、嫌いでもできればうれしくなるんじゃないか」ということもあるかもしれないが、おそらくそれは持続的ではない。

やはり継続的に「チャレンジ」するためには、「本人の意志」は欠かせない。

 

では、本人がチャレンジしてみよう!と思うために必要なことはなにか。

そこには様々なものがあると思う。

 

 

そのなかのひとつ、

「関わる人やその子の周りがたくさん失敗する、あるいは、失敗体験を語る。」

というものがあると思う。

そして、

「どうやら失敗しても大丈夫らしい。」

と本人が思うことが大切だと思う。

それが成功体験よりも大切なことだと思う。

 

そのときも周りがする関わり方は何通りかあると思う。

 

笑い飛ばす。

それもありだと思う。

恥ずかしいと思ってのごまかし笑いはちょっと違うかな、と思うけれど、それでもいいかもしれない。

そして、引きずらずに次に向かっていく姿勢を見せること。

 

落ち込む。

落ち込むこともありだと思う。

大事なことは、一人で落ち込まず、だれかにそれを話したりして、失敗しても周りの友達は相談に乗ってくれるんだよ、という雰囲気を、なかなかチャレンジできない子どもが感じること。

 

いずれにせよ、

「失敗してもだれも責めないよ」という雰囲気が大切なのだと思う。

 

いろいろ偉そうに大人たちはいうけれど、明らかに成功体験より失敗体験のほうが多いはず。

それに、いろいろな人の話をきいて、勇気づけられるのは、その人ができることをひたすら言われることよりも、その人の失敗談だったりするんではないか。

そんな失敗をしても、それでも今まで生きてきている。

そんなことに勇気づけられることが多いのではないか?

 

そして、ほとんどの大人は失敗経験のほうが多いのではないか。

少なくとも私は多い(笑)

だとすれば、子どもが失敗を許容できるような関わりはたくさんできるはず(笑)

 

そうやって周りが自分自身の成功も失敗も受容し、お互いが仲間だ、というときに、自信がない子どもは「チャレンジしてみようかな」と思う。

 

周り人が、その人自身あるいは、その人の周りにいる人たちの失敗を受容する

自分自身の失敗体験の受容

安心感

チャレンジ

成功体験or失敗体験の克服

 

こんなプロセスを知っておくのもいいと思う。

 

もちろん目の前の結果だけみて、失敗・成功の判断はできないけれど(さらに大きな目でみれば、失敗も成功もないわけだけれど)少なくとも

「自己肯定感を上げるためには、成功体験を!」

というそこにいたるまでのプロセスを無視した、結果重視の関わりをしないように気を付けたい。

 

成功体験の前に必要なことは、失敗を受容する雰囲気。

 

 

今回の内容は、青山先生の本を読んで、改めて強く思ったこと。