不登校で悩んでいたり、困っていたりする保護者、子どもには、
「世界は敵ばかりだ」
という世界像があるように感じる。
子ども。
先生や親がよかれと思って、嫌がっている子どもを学校に無理やり行かせようとしたら、それは子どもにとっては「敵」
「学校に行きたくない」という自分の意見に耳を傾けてくれなければ、そう思っても仕方ない。
また、いくら話を聞いたところで、最終的な行動として、「学校に行かせる」というところにたどり着けば、「話を聞いた」ということが、かえって嘘をついたことになり、さらに「敵」という思いを深めることもある。
だから周りの人がしなければいけないことは、まずは子どもの話を聞き、意見を尊重する、という姿勢・行動を取ることだと思っている。
そして、「あなたの周りにも味方はいるんだよ。」ということを感じられるようにしたい。
「そうだね、行きたくないよね。」と話しを聞くだけではなく、「行かない」ということに対しても、それはその子なりのベストの答えなのだということを尊重して、それを行動として示す。
そうすることで、「自分には味方がいるんだ」ということを感じることができれば、そこから子どもに勇気が湧いてくるんだと思う。
保護者。
「子どもが学校に行かない」ということは、いわゆる普通に学校に行き、普通に生活してきた人には、覆いかぶさる負のエネルギーが想像以上に大きくなってしまうことがある。
ただ、これは当事者しか分かりえないことかもしれない。
運が悪いと、学校からも責められ、パートナーからも責められ、自分の父母、義父母からも責められ、地域からも責められる状態になる。
まさに、四面楚歌。
「世界は敵だらけ」
そうすると自己防衛に入りだす。当然の流れ。周りは敵だらけなんだから、なんとしても守らなければいけない。
だから、無理やりにでも学校に行かせようとする。そして、憔悴していく。
今もっている自分の「当たり前」を捨てればいいのだけれど、周りが敵だらけなのに、それを捨てるわけにはいかない。
そして、さらに自分を苦しめる。
そして、学校に行けないと、将来もすごく困るんじゃないかと焦る。
だって、周りは敵だらけだから。
どうにかしなきゃ、なんとかしなきゃとまた焦る。
そして、勇気をくじかれている状態の子どもであれば、そこにもその焦りは伝わっていく。
とても悪循環。
なんとかそういう保護者には、いろんな人に出会って「味方」がいるということにたどり着いてほしい。
世界はそんなに狭くはない。
いろんな生き方をしている人がいる。
思っているよりずっと優しい。
そんな人たちに出会って、「世界は敵ばかりじゃないんだ」ということを感じてほしい。
そして、「世界には味方がいる」と思えるようになったら、たとえ「子どもが学校に行かない」という状況が変わっていなくても、見える景色は大きく変わるはず。
そして、きっと勇気が湧いてくると信じてる。