「頭のいい、悪いは、遺伝だと思う人~?」
思ったよりも多くの生徒が手を挙げた。
ここでは「頭がいい=テストでよい点取れる=記憶力がいい」という意味で話している。
そして、おそらく「遺伝」は「変えられないもの」という捉え方を子どもたちはしていると思う。
ということは、「頭の悪い人はどれだけがんばったって良くはならない。」と思ってしまっている、ということ。
もちろん大人になって、「そんなことはない」ということが分かる日は来るとしても、今、そう思ってしまっていることがどれほどの可能性を失わせてしまっているかと考えると、本当にもったいなく思ってしまう。
適切な記憶するためのやり方を知らずに一生懸命がんばって、そして結果が出ずに、記憶力がない、といってしまっている。
まだ、記憶力がないってだけならばいいけれど、自分自身すべてにダメ出ししてしまっていることがある。
残念すぎる。
だから、伝えた。
「みなさんの言う、頭のいい、悪いは、絶対遺伝的なものではない。
今頭がいいと言われている人は、生まれつきなのではなくて、ただ、記憶するために適切な”技術”を使っている人、というだけに過ぎない。」
このときはぽかーんって感じだったけれど(笑)、授業をしたあとは、すごく真剣に聞いてくれてたと思う。
その顔を見ると、「確かにちゃんとやればできるような気がする」という気持ちを感じてもらえたんじゃないかと思う。
まだ感想をもらっていないので、実際のところはなんとも言えないけれど、きっと今日も徳川15代将軍をお互いが質問しあっている生徒たちはいるはず(笑)
もちろん別にそんなことをしてもらわなくてもいい。
心のどこかに「あ、できるかも」という感覚を持てていれば。
きっとほとんどの生徒はそういう感覚を持ててたと思う。
途中からはノリノリだったから。
「あ~~!!!」といいながら、私が答えを言う前に、答えが口からあふれ出ていたから。
ここからはちょっと違う話。
でもやっぱり私は気になってしまう。その勢いに乗り切れていなかった子のことが。
もちろんちゃんとできる力はある。
でも、その子のスピードというものがあるから。
全体でいえば、結果も伴っていたし、成功だったと思うけれど、個のレベルでいえば、まだまだな授業だった。
また、そのできなかった(たぶん普段に比べたら格段にできていたと思うけれど)ということよりも、その周りのスピードについていけない自分を責めてしまったのではないか?という不安もある。
今回が普段の講座と違うのは、受講者が初めてあった人がほとんどであるような単発の人間関係のなかにいるのではなく、普段の生活の集団のなかで受講しているということ。
そういう中での、「できなかった・・・」という体験は、いつもより印象深くなってしまうんじゃないか・・・
私がそこまで心配することはないのかもしれないけれど、どうしてもそこは考えてしまう。
今読んでいる本の中にもでてきたけれど、ただの「個人」ではなく、
「集団の中の個」
という視点。
いつもこの視点は持ち続けたい。
今回このような素敵な機会をいただけたのは、勉強会で出会った伊藤さん、そして、1時間という時間でなんとか授業を組み立てられたのはアクティブ・ブレインの講師の先輩である澤村さんのお二方のおかげ。本当にありがとうございました。