この本をコツコツ訳してみています。
解決策に注目して、いっしょに取り組もう その2
その2
自分の子どものことを本当に心配したり、これからのことを怖れたりしているときのことを考えてみましょう。
あなたは、子どものことをどれほど愛しているかということや、心配しているかということを伝える代わりに、説教をしたり、叱ったりしていたのではないでしょうか。
行動や考えを直す前に、信頼関係を築こうとしていましたか?
ほとんどの子どもたちは、親を慌てさせたいわけではありません。
もしあなたが、落ち着いて、あなたが感じていることをいえば、彼らはあなたの言うことを聞いているでしょう。
たとえそのときはあまり注意をむけていなくても。
子どもの行動を24時間ほど見守ってみて、その変化を見てみてください。
大抵はそんなに待つまでもなく、優しさや友好的な部分が見えてくるでしょう。
信頼関係はしばしば、自己修正につながるのです。
多くの親は、子育てワーキングループの親たちが心配したような“わかってるけど、でも”ということを感じるでしょう。
そして、ローナのしたことは甘やかし過ぎなのではないかと思うでしょう。
彼女のアプローチでは、マーラの尊敬の念に欠いた行動を見逃してしまうことになるのではないか、と。
そして、ローナはもしマーナが嘘をついたり、ドラッグをやったりしていたら、それを暴くべきだと思うでしょう。
この心配を注意深く考えてみると、どのほかのアプローチも、何の解決にもつながらないことが分かるでしょう。
むしろ、事態を悪化させるだけでしょう。
もしマーラの母親が支配的な子育てをしたとしたら、マーラはより反抗的になり、そして、秘密主義になっていくでしょう。
ローナはマーラに本当のことをいうように強制することはできませんが、マーラが安心して本当のことをいえるような環境を創り出すことはできます。
優しさと毅然とした態度をもって、マーラの母親は、尊敬の念を示すことができるのです。
ローナは、マーラが解決策
―彼女もいっしょに考えた尊敬の念に満ちたマナーのなかで、その解決策に従おうと思えるもの―
をいっしょに考えようと思えるようになる前に、信頼関係を築くことができる賢さを十分に持っていました。