第8章 クラス会議(1)

8章 クラス会議(1)

ポジティブアプローチの効果性は、大人の相互尊敬の姿勢と、子どもたちに関して長期的な効果に関心をよせているか、ということにかかっています。

この本で解説されているような尊敬に基づいた関わりのなかで経験を積む子どもたちは、自律、協力、責任感、レジリエンス、知恵、問題解決スキル、そして、ほかのソーシャルスキルやライフスキルといった、よりよく生きるために必要なことを必ず学ぶことができます。

これらのことを最もよく自覚できたり、経験できるのは、定期的な家族会議やクラス会議です。

これらの会議は大人や子どもが、協力をするための民主的な手続きや相互尊敬、問題解決にフォーカスするといったことを学び、練習できる一番大きな可能性を持っています。

クラス会議や家族会議は、第1章で述べた7つのものの考え方とスキルのすべての強さを発達させる機会を子どもたちに与える一番よい方法です。

家族会議やクラス会議が定着すると、親も先生も子どもも、もっとも有益な長期的目標を達成することができるでしょう。

何人かの親や先生は、しつけに関する問題がなくなるという、ちょっとしたことによって動機づけられるかもしれませんが、これはこれで問題ありません。

しかし、しつけの問題がなくなったり、減ったりすることは、周辺のことにすぎず、家族会議やクラス会議の核となる目標ではないということを理解しておく必要があります。(たとえそうだとしても十分に有益なのですが。)

ある先生が言いました。

「私は、警察官や裁判官、陪審員、執行人になるために先生になったわけでありません。

クラス会議を始めてから、子どもたちは、お互いに敬意を表すようになり、助け合えるようになりました。

彼らは自分の問題を自分たちで解決し、私は本来の自分の「先生」という仕事により時間を取ることができるようになりました。」