コツコツ訳しています。現在、第6章「子どもたちはあなたの言うことを聞いてますか?」
本音のコミュニケーション
私たちの社会では、感情をディスカウントしたり、無視したりする慣習があります。
さらに悪い事には、その感情を、特に本音の感情を、遠ざけようとします。
もし、本当のことをいうと、だれかの感情を害するといけないから、怒りを感じないようにしなければいけないし、正直になってもいけないと教えられてきました。
(興味深い矛盾ではないですか?感情を持ったとしても、それだけでだれかを傷つけることはないわけですから、他の人に対して感情を持つことは問題ないはずです。しかし、あなたは自分の感情を押さえつけなければならないのです。)
一人一人を大切にしていこうというリップサービスを散々受けて来たのに、いざ規範に従わないとなると、断罪されてしまうのです。
あなたは今まで何回自分の本音を話そうとしましたか。
そして、そういうことを話すと、その感情を遠ざけるようにアドバイスをするか、その感情を収められるような、よい薬を持っている医者にみてもらうように提案したりする人がいませんか。
もしあなたがあなたの感情について知る術を学ばなかったり、その感情が教えてくれることが何か、ということを学ばなかったり、あなたに、そして他の人に対して尊敬の念に基づいた感情の表現の仕方を学ばなかったりすれば、あなたの人生は、非常に薄く表面上のものになり、実体のないものになってしまうでしょう。
もしあなた自身がそのことについて学び、出来るようになれば、その次にあなたの子どもたちにそれらを教えることができるでしょう。
ポジティブ・ディシプリンにおけるあなたのやることの一部は、
あなたの子どもが、感情について認識し、理解できるようにサポートすること、
尊敬の念に基づいた自分の感情を心地よく表現できるようにサポートすること、
感情を自分ではどうしようもないものではなく、情報として表現できるようにサポートすること、
そして、彼ら自身でその感情をコントロールできるようにサポートすることです。
思春期の子供たちは、その感情がどういうものであれ、持つことができるのだということを知る必要があります。
そして、彼らはそれらについて何もする必要はありません。
感じることと行動することは別のことなのです。
悪いと考えられている感情(怒り、嫉妬、絶望など)を持つことは、その人を悪い人間にするというわけではないのです。
だれもがそういった感情を持つものです。
実際に、それらに良いも悪いもないのです。
ただの感情があるだけなのです。
その感情がどれだけ強烈なものであったとしても、あなたを殺すことはありません。
特に、もしあなたがその感情に対して、尊敬の念をもっていれば。そして、そうやって向き合っていくと、それらの感情はあなたの心の内側で膿んでしまうことなく、やってきたとしても、やがて過ぎ去っていくようになります。
あなたが子どもの感情に耳を傾け、それらを確認し、この章で学んだ聴くスキルを使って彼らの感情を共有することで、あなたは、子どもたちが心の底に感じていることに対してどのように付き合っていけばいいかということを教えることになります。
子どもが彼らの感情を表現することをあなたが助けられない時、子どもたちはしばしば、うつ状態だとラベルづけします。