毅然とした態度でやり抜く

Positive Discipline for Teenagers, Revised 3rd Edition: Empowering Your Teens and Yourself Through Kind and Firm Parenting

こつこつ訳しています。全14章。現在第5章です。「どのように子どもを動機づけていますか。」

 

フォロースルー(やり通す)

今まで話してきたモチベーションの出し方は、すぐにできて、簡単なところでしたが。「フォロースルー」はもっと複雑で、親の役割に関してのガイダンスが必要とされます。

 

しかし、その努力をするだけの価値がありますし、子どもたちが決めたことを守るということを確実に身に付けることができるやり方です。

 

フォロースルーは、権威的なやり方や甘やかしの子育ての代替え案となるだけの十分な力を持っています。

フォロースルーに取り組むには、その事柄に関わるすべての人々に対し尊厳と尊敬の念を保ちつつ、その状況の必要性に見合ったことをやります。

フォロースルーは、子どもたち自身が気持ちよく感じるために彼らが必要とするスキルを身に付けることを手助けする方法ですし、その一方で、社会の一員として貢献することを学ぶことができます。

 

しかしながら、みなさんのフォロースルーを教える前に、まずは、以下のことは子どもに効果がないことをやめるということを強く覚えておいてもらいたいと思っています。

 

それは、「親の論理に基づいた約束事」です。

あまりにも多くの親が彼らが約束を守れなかったときは、約束事に基づいた責任をとる経験すべきだと思っています。

そうではありません。ほとんどの「約束事」は、子どもたちが間違ったことをしないようにするために親が勝手に決めた、罰を稚拙に隠そうとしているものです。

 

もし罰ように見えたり、罰のように聞こえたり、罰ように子どもたちが感じれば、それは「約束」といっても、罰にすぎません。

私たちは言わなければなりません。

ほとんどの「話し合った約束」といわれるものは、その裏に罰が隠されているものだということを。

なぜかといえば、本当の約束事は、だれがみても論理的であり、大きな助けになるものだからです。

 

今や「約束事」は多くの子育て法に取り入れられていますが、思春期の子供たちにとってそれが適切だとは言い難いと考えています。

おそらく思春期の子供たちに対して、「約束事」が有効ではないということは聞きたくないかもしれません。

なぜ有効ではないかというと、思春期の子供たちの主な人生の課題は、彼らの持っている力を試すことだからですし、「約束事」を、彼らをコントロールするものだと見なすからです。

一旦「約束事」が思春期の子どもにどのように作用するかを理解すれば、フォロースルーのという概念に対して、取り組んでみようという気が強くなるでしょう。

 

フォロースルーってなに?

フォロースルーは尊敬の念に満ちた4つのステップのアプローチで、子どもたちに、協力、ライフスキル、そして、反抗期中でありながら、責任について教えます。

 

フォロースルーは、子どもがゲームばかりしないようにするために、また、家族といっしょに何かに参加してもらうために、あるいは、彼ら自身と家族に対して責任を持つということを身に付けるために使うことができます。

 

フォロースルーの鍵となるのは、あなたがやる、ということです。なぜなら、あなただけが、フォロースルーをすることができるからです。その結果、子どもたちはやり遂げることができるでしょう。

まれにあなたが参加しなくてもできるようです。

このフォロースルーをやることが、副操縦士としてのあなたの主な役割です。

 

効果的なフォロースルーの4ステップ

 

1・その問題があることで起こりそうなことについての情報をあなたの子どもと一緒に話しながら、友好的に話し合いましょう。(聞くことが先で、それからあなたの考えを伝えましょう。)

 

2・子どもといっしょにブレインストーミングしましょう。(ユーモアを使ったり、大げさに言ってみたりしましょう。)

あなたと子どもが合意できる解決策を選びましょう。

あなたと子どもがお互いに合意できることを見つけることは、いろいろと交渉があるかもしれません。なぜなら、あなたの好む解決策と子どもの好む解決策は違うかもしれないからです。

 

3・締切について合意しましょう。(なぜこれをしなければいけないのかは後ほど分かります。)

 

4・子どもたちは、締切が守られないだろうことを十分に知っているということを理解しましょう。

そして、優しく、そして、毅然とした態度で子どもを信頼して、合意されたことをやり抜きましょう。(77ページの、実生活のなかでのフォロースルーが例です。)

 

 

効果的なフォロースルーの例を伝える前に、フォロースルーをだめにする4つのワナを理解することはとても重要です。

 

フォロースルーをだめにする4つのワナ

1・子どもが、あなたが考えるように考え、あなたがもっている優先順位と同じ優先順位を持っていると信じていること。

2・出来事について取り組む代わりに、評価や批判をしてしまうこと。

3・明確な締め切りのある合意を前もってしないこと。

4・あなたと子どもの両方にとって尊厳と尊敬の念が保たれていないこと。