コツコツ訳しています。現在第5章。「子どもをどのように動機づけるか。」
取引しよう!担保を使おう!
ユーモアのように、子どもは取引に関心を持ちます。
これはギブアンドテイクのちょっと違ったバージョンです。
子どもに、公正さと論理を伝えるというコンセプトです。
思春期の子どもは、自分中心になりがちですし、世界が自分を中心に回ることを期待しているので、なにをやってもうまくいかなかったときに、取引を持ち掛けることは思春期の子どものやる気を出させることができます。
よい取引と悪い取引があります。
悪い取引は、あなたがそれをしっかり守れなかったり、現実的でなかったり、年齢、スキル、人生経験から見て、不適切なものです。
昔からよくある取引の、
“もしあなたが犬の世話をきちんとできると約束するなら、犬をかってもいいわよ。”
というものは悪い取引の一例です。
ほとんどの子どもは犬を飼い始めて一週間もたつと、世話をするのに飽きてしまいます。
そして、そのころには、犬を保健所につれていけないくらい犬がかわいくなってしまっています。
よい取引としては、
“もしあなたが平日に犬の散歩をちゃんとしてくれれば、週末は私が散歩するわ。”
というものです。
ただ、これも、犬の散歩をしていることをあなたが見ることができなければ、悪い取引となるでしょう。
こちらがもうひとつの悪い取引、よい取引です。
“もしあなたがガソリンを満タンにして返してくれるなら、今夜車を使ってもいいわよ。”
これは悪い例です。
なぜなら、なんの努力もなく車を使うことができてしまうからです。
よい取引は、
“出発する前に、車を洗ってくれたら、今夜車を使ってもいいわよ。”
ということがひとつの例です。
こちらはほかのいくつかのよい取引です。
“水曜の夕食までにすべてお手伝いを終っていれば、そのことに関して、その週はお手伝いに関しては何も言わないわ。
もし夕食までに終わっていなければ、それが終わるまで夕食は待っているわ。”
この取引はあなたが水曜日の夕食時に家にいることを必ず担保できるときにのみ作用します。
ほかのよい取引は、
“こういう取引をしましょう。
もしあなたがあなたたちを映画館に送ってくれるもう一組の親御さんを見つけることができれば、あなたたちを迎えにいってもいいわよ。”
担保を使うことは、思春期の子どもにはよく作用します。
彼らがもしあなたから何かを借りたければ、彼らは、あなたにものを返すときに、あなたが彼らに返すことになる何か担保のようなものを与えなければなりません。
よい担保としては、お気に入りの服や、iPod, iPad, スマホなどです。
彼らにとって価値のあるものである必要があります。