こつこつ訳しています。全14章のうち、今第3章「あなたの子育てスタイルは?」の終わりの部分。
ポジティブ・ディシプリンで育てても子どもは反抗しますか?
多くの親が、ポジティブ・ディシプリンで育てれば、子どもは思春期にありがちな間違いを犯さないという誤った考えを持ってしまうことがあるようです。
民主的に、そして尊敬の念をもって育てられている子どもは、むしろ、自分がリスクを冒そうとすることや、反抗することに自信を持つことがよくあります。また、同じように学ぶことに対しても自信を持ちます。
あなたの子どもが小さい頃からポジティブ・ディシプリンで育てたとしましょう。
家族会議で、問題解決スキルを使っていると、子どもたちは、責任感を持ち、協力的になります。
彼らとよい関係を築くことができ、思春期をなんなく過ごせることができます。
と、そんなことは決してありません。
思春期の子どもは思春期であることを経験する必要があるのです。
現段階では、どこを見回しても、ホルモンを調整したり、脳の発達を変える技術は存在していません。
そして、ホルモンが大量に放出されれば、子どもたちは、思春期特有の課題に直面するようになるのです。
パニックにならないでください。
思春期は、あなたが学んでいることすべてに応えるための時間ではありませんし、“もしポジティブ・ディシプリンがうまくいかなかったらどうしよう?”とかんがえる時間でもありません。
あなたはあなた自身に語り掛けるかもしれません。
もっとモラルについての説教をすべきだ、子どものために目標を設定するための時間をもっととるべきだ、もっとコントロールすれば、今のように浅はかで、尊敬の念に欠くようなことはしなくなるのだ、と。
手遅れになるまえに、手綱をきつくすべきだとも思うかもしれません。
この時期はどんな親にとっても簡単ではない時期ではありますが、手綱をきつくしたり、罰やコントロールで子どもの動機づけをしようとしても、決してよくなることはありません。
むしろより悪化させることになるのが実際です。
ポジティブ・ディシプリンで育てられた子どもは、親の知らないところでなにかやったり、より親の目が届かなくなる大学生になるまでひたすら待つ代わりに、親が分かるところで、自由に反抗しているように感じることがしばしばあるようです。そんなことも知っておくとよいでしょう。
彼らは、あなたが子どもに行った言葉を使って、さらに反抗してくるかもしれません。
“でも、自分で考えなさいっていったじゃない!そして、自分の声に耳を傾けなさいっていったじゃない!”
そして、
“なんでお母さんがそんなにあたふたしているの?いつも失敗は学ぶ機会だといっているじゃない!どんなにひどい状況だって克服できるわよ!”