こつこつ訳しています。現在第3章。
過保護
守りすぎ、救いすぎの子育て
もしあなたがレンガでないとしたら、みんながあなたの上を歩いたり、出来事に取り組むのではなく、隠してしまおうとする敷物のような存在になっていませんか?
2番目の短期的な目標の子育て、過保護な子育ては、自らが汚れ役となることを進んで引き受け、子どもたちを守りすぎてしまったり、甘やかしてだめにしてしまったり、救いすぎたりします。
このやり方をする親は、子どもたちにこんな考えを持たせます。
1・他人から過度のサービスを期待する
2・他人が自分のケアをすることが愛だと考える
3・人のことよりも物事ばかり気にする
4・“自分は焦ったり、落胆したりすることから立ち直ることができない。”ということを学ぶ。
5・“私にはできることがない。”と信じる。
過保護の子育ては、子どもが傷ついたり、つらい思いから子どもたちを守ったり救い出したりすることが親の仕事だと思わせます。
しかし、この子育てのやり方では、子どもたちから、自分を信じる力、しなやかな力を発揮するためのライフスキルを奪ってしまいます。
彼らは、痛みや落胆を生き抜くことを学ぶ代わりに、きわめて自己中心的になってしまったり、世界や親は自分に対して責任を負っていると思ってしまったり、彼らが欲しいものはなんでも手に入る権利を持っていると思わせてしまいます。
このように過保護な子育ては、子どもがよい人格やライフスキルを持った大人になるためのサポートとして、不適切だといえるでしょう。
例:
コレッタは彼女の娘のジェシーがお店でおもちゃや飴をねだる度に買ってあげる、甘い親でした。
要するに、コレッタはジェシーが嫌な気分にならないように守ってやりたかったのです。
宿題が間に合いそうにないときは、母親は自分のすべての予定を変更して、急いで助け出そうとし、ジェシーが宿題を終えるために必要なものをそろえるために、図書館にいったり、お店に行ったりしました。
ジェシーが中学2年生になるころには、二人の間には二人で創り上げた関係ができあがっていました。
ジェシーは、自分が学校で人気者になるためには、素敵な服を着ているということが一番大事だと心に決めていました。
彼女は、どんどん服を欲しがりました。
もし母親がそれを断ろうものなら、涙を浮かべ懇願し、もしそれが手に入らないなら、もう学校はやめると母親を脅しました。
コレッタは受け入るしかありませんでした。
ジェシーが身に付けた性格とスキルを想像してみてください。
ジェシーが大学に入学すると、クレジットカードを使ってさらにこの物質主義的なスタイルが続きました。
彼女が負債を抱えるまで、時間はそんなにかかりませんでした。
ジェシーはアルバイト先の雇い主からお金をだまし取ろうとしました。
ジェシーは捕まり、解雇され、破産寸前でした。
そして、彼女は母親に泣きつき、母親はそれに応え、なんとかしてしまったので、結局今回のことも免れてしまいました。
コレッタは、いつも甘やかし、過保護で、救い出すということを一番にやり、こういった問題にどのように自分が役に立てるかということが分かっていなかったので、問題はさらに悪化していきました。
もし母親が、ジェシーが自分の選択したこと、やっていたこと、やったことに対して経験をさせるようにしておけば、ジェシーはしっかりと責任感のある大人として成長することができたでしょう。
(注意:私たちは、コレッタが責任をジェシーに押し付けるべきだと言っているわけではありません。子どもに、自分の選択の結果を経験させることは、責任を押し付けるということとは大きく違います。)
自分のやっていたこと、やったことを許すことは、尊敬の念に基づいて行うことができます。
コレッタができる一番の勇気づけは、共感し、どれくらいの予算を持ちたいのかということを明確に設定し、経済的な責任を果たすためにはどのようなことができるかということをブレインストーミングすることを助けることです。
これは二人にとって楽なことではありませんが、二人を成長させてくれるでしょう。
甘やかしたり、過保護になったり、救い出したりすることは、あなたを聖者のようにみせてくれるでしょう。
きっと子どもも大好きになってくれるでしょう。
しかし、それらの子育てのスタイルは、子どもが自分の力で飛ぶことを学ぶ手助けにはなりません。
過保護や救い出すことを避けると、子どもたちは、あなたが自分のことを気にしていないのだとそのときは思ってしまうかもしれません。
もう自分のことを愛していないのだ!と訴えてくるかもしれません。
でも、これは長く続くことはありません。
彼らは、長い目で見たとき、どうしたらいいかということは知っているのです。
こういった例のほかにも、自分が子どもを過保護にしたり、救い出したりしまっていることがないか考えてみてください。
そして、それが、子どもの自己信頼や自分はできるのだという自己有能感を奪ってしまっているということを考えてみてください。
このパターンをやめて、優しさがありつつも毅然とした態度で取り組む子育てのスタイルができそうだと思う場面をどの場面でもよいので選んでみましょう。
毅然とした態度をとるということは、単純に甘やかすということをやめることが必要とされます。
優しさを持つということは、共感を必要とし、子どもが、自分で問題を解決できるということや、その状況をなんとかできると信じているという態度を表現するということを必要とするということです。