リヒテルズ直子氏講演会
こちらに今日は出席してきました。
リヒテルズ直子さんの名前を最初に知ったのは「学習する学校」 888ページある大作。まだ途中読み。
その後、「どのような教育が「よい」教育かよい教育か」の著書である、苫野一徳さんとの共著である「公教育をイチから考えよう」を読み、本日初めてお会いしました。
今日のレジメ
13:30 開会の挨拶 日本イエナプラン教育協会 愛知(名古屋)支部 服部秀子さんからあいさつ。
講演「ヨーロッパの公教育は今 ~オランダの事情を中心に~」
休憩
14:40 ワークショップ「オランダ・イエナプランとアクティブラーニング」
質疑応答
16:30 終了
最初の講演
教育のビジョンについての問いかけから始まり、オランダだけではなく、他の国の教育の紹介も。
以下は私がメモをとったこと。
自分の発達に責任を持つ(オーナーシップ)
オランダでは(オランダだけではないが)発達段階指標がはっきりしており、子どもと先生がそれを一緒にみて、相談しながら進め方を考える。これってとても大切な事だと思う。私も塾では似たような関わりをしている。自分で自分の成長に責任を持たず、だれが持つのか、と思う。そういう経験を親も先生も奪ってはいけないと思う。
同じように育てる=一人一人を大事にしていない
人に平等に接しようと思ったら、不平等に接しなければいけない。ここはなかなか理解できない人もいるのかな。同じ条件を与えることが大切であって、その先はその子どものがんばりでしょう、というような。そういう考えは私は好きではないな。
これは子育てでも同じかもしれない。「兄弟同じように育てたのに、なんでこんなに違うんでしょう。」という言葉に出会うことはあるが、「そりゃ~同じように育てたから、そんなに違ってくるんでしょう。」と答える。
本当の平等という意味を考える必要がある。
ICTテクノロジーの活用
一人一人の進度を先生が管理しようとすると、それこそ大変。そこでICTがとても役に立っているとのこと。ただ、これも指標がしっかりしている必要があるよな、と思った。
「問う力」
これが学び続けることにつながるし、世界とつながっていく力。
正解がない世界、どういう問いを持つかで、学びの質は大きく違ってくる。
正解があるやりとりをしていると、そのことを「学校ごっご」というらしい。
「わかる人?」「はい!Aです!」「はい、正解です!」 これが学校ごっこ。
たしかにリアルな社会から考えると、ごっこ感は否めない。
民主主義とはなにか?
すごく分かりやすかった。
社会主義・・・socialism
共産主義・・・communism
資本主義・・・capitalism
自由主義・・・Liberalism
平和主義・・・Pacifism
個人主義・・・Individualism・・・・
民主主義・・・Democracy
Demoの語源・・・地区、住民
cracy・・・支配
すべの~ismが平等の権利を持ち、その構成員によって民主主義が成り立つ。
民主主義はすべてを包括している考え方。
そして、民主的かどうかは、自分の意見や行動に論拠をもって説明できるかどうか。他者の意見や価値観の異なるものを受容できるかということ。
そこを批判的に考えずに行動してしまうと、大衆社会になってしまうし、独裁にすらなってしまう。
常に自分たちの向かっている方向はどんな方向で、変な方向にいっていないか?ということ確認し合いながら進めていくことが大切。
正しい方向というのは、おそらく安心、安全は最低限含んでいるだろう。
教師の専門性
知識が多さではない。子どもの心に火をつけられるかどうか。これが専門性なのだという自覚を持つことは大事だと思う。もう今の社会では、保護者も同等の知識を持っていると考えてもいいと思う。
やっぱり先生ですね!と言われるには、ここができるかどうか、というところだと思う。
違い=豊かさ
違い=豊かさ、違い→他者がいるからわかる。そうなると、自分と違う他者がいることが豊かさの前提となる。
そういう目で子どもを見らえるかどうか。ここは大きなポイントだと思う。今の学校社会でもできないことではないと思う。本当は一人一人違うのに、そこをいっしょにしてしまうから、変に違うことをする生徒が目立ってしまう、あるいは、目立とうとしてしまうのではないかと思った。一人一人がみんな違うことを大切にされていれば、過度の注目を得ようとする子どもは減るような気がする。
アクティブ・ラーニング
体ではない。脳がアクティブかどうか。だからこれは見た目だけでは判断できないということを分かっておく。
イエナプランスクール=静寂の学校
イエナプランスクールでは、サークルタイム(朝の話し合いの時間)はすごく静からしい。
低いトーンで話しているとのこと。
確かに大きな声で話したりすると、ちょっと威嚇された感じになる子もいるだろう。じっくりゆっくり低いトーンでやりとりが進むらしい。
でも、なんとなくわかる。にぎやかさは一時で過ぎ去ってしまうけれど、深いどっしりとしたものはいつまでもそこにいるし、それが安心感となり得るということか。
トリクルダウン的思考は無効。
富裕層がさらに富めば、自動的に貧困層も富むというトリクルダウン的な考え方は、すでに否定されている。
これは一昨年?ピケティがいっていたことだろう。出来る限り貧富の差をなくすという考え方をしていくことが大事だろう。
ただ、まだまだ日本はそこから抜け出せていない。これは市民レベルでもそうだと思う。
自分の子どもだけは良い環境を受けさせて、そして、その子が活躍できれば、他の子も救えるだろう的な発想をよく感じる。
確かに自分の子どもがかわいいのは分かるが、そういう当面だけの考えはそろそろ改めていったほうがいいと思う。
ほかにもいろいろあったけれど、とりあえずこんな感じ。
終了後、学び仲間の山口君と振り返り。
どこが一番気になったのか、自分がどういうことを考えていたのか、ということなどを。
世界情勢や日本が置かれている立場を考える、さらに危機感を持った。
いろいろな意味で転換期だと思う。
吉田松陰先生の言葉を思い出す。
好機に巡り合った時には、しっかり努力しなさい
好機を逃して、志を無駄なものとしてはいけない
はい、がんばります!
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2017年2月10日(金) 10:00~11:30 絵本で育てる共感するココロ
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