インクルーシブ教育、ユニバーサルデザイン・・・・
専門家ではないので、いろいろな細かいことは置いておいて、まぁざっくりいえば、生きているすべての人が幸せに生きていくための力や人間関係を育んだりしていけるようにしましょうってことだと思っている。
そのために学校や地域できることはいろいろある。
学校でできること
1:すべての子どもに対して、学校だけでなんとかしようということを「諦める」こと。
もうとっくにすべての子どもに向き合おうとすることは、限界は越えている。
それをまずは認めるべきだと思う。先生が悪いわけでも、学校が悪いわけでもない。そういう時代になっただけのこと。
これは発達に関することだけではない。多様化した価値観もそうだ。
一番変化が遅いといわれる公的機関にこれだけ多様化した価値観を引き受けることは不可能だと諦める。
その上で地域と協力して、すべての子どもが幸せに生きるためのライフスキルや態度を身につけられるようにするためにはどうしたらいいのか?ということを考える。
諦めることは悪いことではない。よりよい次の一手のための一つのプロセスだと捉えればいい。
特に、うまくいっていないにも関わらず、未だに執着してしまうような場合は。
2:学校の教室(級)構成を多様化する。
「多様」とする場合、そこには少なくとも3つ以上のものがほしい。
現在学校で学ぶには、2つの形しかない。1つは通級。もう一つは特別支援級。
せめてもう一つクラスがあってこその「多様性」だと思う。
そして、もし今先生たちが苦労していたり、保護者が悩んだりしていることが、グレーゾーンと呼ばれるところで起こっているのであれば、そのためのクラスがあってもいいのだと思う。(これは昨日多賀先生とお話するなかで、先生が指摘されていたこと。ニーズが増えたのであれば、それを充足するのは当たり前のことなのだけれど、そんなことは思いもしなかった・・・)
通級と特別支援級だけだから二者択一になってしまって、どちらかを選ばなければいけない・・・というようなストレスフルなものになってしまう。
より多くの子どもたちが気持ちよく学ぼうとする環境をつくりたいのであれば、一つの固定化されたクラスでなんとかする、というのは、学校や先生としてもストレスフルのような気がする。
さらに、これからアクティブ・ラーニングというものが広がっていく。
多様性を担保するのであれば、そこにはアクティブ・ラーニング型の学び方もあれば、座って静かに学ぶ学び方をするクラスがあってもいいと思う。
そうすることで、さらに多様性が生まれ、相乗効果が生まれやすくなるのではないかと思う。
地域でできること
多様な学び方を受け入れること。
以前に比べればかなり緩やかになったとはいえ、まだまだ「地元の学校に行く」ということが当たり前の雰囲気であり、行けない子は「外れた子、失敗した子」だと見なしている空気がある。
その空気感を作っているのは、大人であり、もちろんその影響を受けている子どもたち自身もそうだ。
ただ、子どもたちは柔軟性があるので、きっと受け入れるまでにそれほど大きなエネルギーはいらないと思う。
それよりもまずは、大人が受け入れる努力をする必要があると思う。
今まで多くの保護者の方に接してきて、そのほとんどの方の教育観は自分のライフヒストリーに基づいている。
「社会(周り)がそうだから」ということを根拠にしてる人も、結局は自分のライフヒストリーに基づいている。
私も含めて。
まずはそれに気づかなければいけない。そして、視野を広げて、様々な学び方、そして生き方を受け入れていくことが大切だと思っている。
今、少しずつではあるけれど、従来の学校教育を受けていない人が社会で活躍しだしている。
だから、大人がこういうことを意識していくことで、様々な学び方が多くの人に受け入れられる速度を増すことが可能だと思っている。
多様な学び方を創り上げること
学校に行くことがしんどい子に無理やり学校に行かせることはおかしい。
学び方の選択肢を地域の人たちで創り上げていくことがひとつできること。
その具現化が瀬戸ツクルスクールだと考えている。
もちろんほかにも様々な選択肢があっていいと思っている。
多様な学び方があるということは、多様な生き方があるということにもつながる。
みんな一丸となって!というだけでは乗り切れる時代ではない。
お互いがお互いの違いをしっかりと伸ばして、そして、その上で協力し合うということで、大きな力が生まれるのだと思っている。
そして、ただ国に頼るようなものではなく、地域市民が当事者意識を持ってそういった道をつくっていく必要があると思う。