ダイアログ・マネジメント
第7章 対話における「感情」
感情とは関係の中における「演技」だ
感情の表現もシナリオの一部なのだ。
組織の中のシナリオ
例)成功のドラマ:成功したときは幸せだったり嬉しかったりし、失敗したときにはいらいらしたり悲しかったりするのは当然だ。
ほかにも、
競争のドラマ
正義のドラマ
達成のドラマ
などがある。
シナリオを変容させる
このように「感情は関係にの中における演技」であり、「本当に」知ることなどできない、という前提であれば、背後にある感情についてあれこれ考えるのは重要ではなくなる。
2つのポイント
1:ポジティブな、あるいは建設的な感情の演技を引き起こすようなシナリオをファシリテートできるか。
2:感情的な「退化」のシナリオをどうすれば、避けるか、あるいは変容できるか?
「招待」を創る
簡単な例は、元気よく挨拶する、社員の仕事を称える機会を創り出す。
「招待」を避けるまたは辞退する
単純に自分のパートを演じることをしないことによって、有害なシナリオを終らせることができる。
「始まり」を再構成する
ユーモアや比喩などを使って、スタートの視点を変えるということ。
「結末」をファシリテート(進行)する
例えば、反撃をせずに、謝罪を受け入れ、結末まで演じ切る。
感想
ここはアドラー心理学の「感情」に対する考え方と似ていたので、理解できたが、そうでなければなかなか難しいかもしれない。
要は、「感情」は私たち自身が使っているのだ、という感覚が必要。
それを、二者関係というところから、「シナリオ」という一連の流れのなかで使っているというところはおもしろかった。
感情を生物学的に先天的なものであると考えるのではなく、どんな感情にしろ、後天的に身につけたものであるという捉え方。
それを今までの生きてきた中で、ある意味「伝統」のように身に付けてきたもの。
そう意識することで、自らシナリオを作ったり、変容を与えたりできる。
さらにここに相手のライフスタイルや価値観を分かった上で対応すると、よりスムーズにシナリオ生成や変容がしやすくなる。