話しかけではなく話し合いをしよう

「勇気づけて躾ける」

第38章 話しかけではなく話し合いをしよう

原本のタイトルは

「Talk with Them, Not to Them」

「我々は研究の過程で、子どもとの話し合いを心得ている親が実に少ないことを発見しました。」

これは私自身も感じてることです。

話し合って決めたといっても、だいたいが親が一方的に決めていることが多いです。

いかに子どもに親が思うことを納得させて動かすかという視点です。

その結果、話し合ったルールは守られない、という結果になるわけです。

有る意味自然の結末です。

そして、数十年前も今もそれほど大差はない状況のように思います。

「子どもに「正しい」考え方のみを期待することは馬鹿げたことです。

子どもが「間違って」いて大人が常に「正しい」と主張ばかりしていると、子どもは口を閉ざしてしまいます。(これは私たち大人にもいえることです)。

このような姿勢は話し合いではなく、話しかけです。」

正しさの暴力とでもいいましょうか。

子どもからしたら自分を守るしかない。

口を閉ざしてしまうわけです。

正しいと思っていることを伝えることはよいと思いますが、それを一方的に押し付けるのはやっぱり違うと思っています。

「対等な人間関係においては、ひとりひとりが自分の考えを(「良い」「悪い」といった型どおりの考え方ではなく、実践的な結果に照らして)進んで再評価していくことが大切です。」

結果をしっかり見て、それが果たして自分たちの望んでいることなのか?と考えることはとても大切だと思います。

子どもたちが大人のルールに対して反抗するひとつの理由は、一度決まったことは、再検討されないということを感じていることだと思っています。

一度決まったとしても、ちゃんと再検討される、変えられる、ということを示すことは話し合いの上では必須だと思います。

「子どもの言葉に耳を傾けるということは、その子の論理を発見することです。

子どもを援助するということは、以前には気づかなかった自分の長所に気づくことができるような新しいものの見方を示してやることです。」

子どもたちはよく観察していますが、解釈はしばしば間違えます。

また、自分の誤った目標に気づかずに行動してしまうことがあります。

そういった誤った解釈を意識的、無意識的にしていることを理解し、その子にとってより快適な関係が築けるようなものの見方、考え方を伝えることがサポートするということのひとつなんでしょうね。

「話しかけとは、物事をこうしたいという私たちの考えを伝え、子どもにもそれに従うことを要求し、私たちの考え方を理解させようとすることです。

話し合いとは、問題を解決するために、あるいは現状をよりよい方向へ持っていくためにはどうすればよいかとを大人と子どもがいっしょうになって考え、答えを差がいていくことです。」

話しかけとは形を変えた命令であり、説得なんでしょうね。

話し合いは、協力であり、探求なんでしょうね。

そして、どうすべき、ということではなく、どうしたいか、ということだと思います。

自分が子どもとどういう関係を築きたいのか?

そこをしっかりと考えを持っておくことは大切だと思います。