学校づくりは地域課題解決策づくり

5・学校づくりは地域課題解決策づくり

人が幸せになるために
子育てがしやすい環境に
よりよい学校環境のために、そして先生たちを応援するために。

今回は、学校づくりが地域課題解決策をつくることができる

という考え。

 

地域の課題はそれぞれある。

瀬戸市の課題は、少子高齢化(地域差あり)、社会福祉環境の構築、地域コミュニティーの維持、移動インフラ、財政などなど。

このなかで貢献できるところはいくつかあると思っている。

「少子」

解決策としては、少子の逆ということで、単純に出生率を上げるということが対策となるわけだけれど、

これは2つ目で書いた子育てをしやすい環境にするという点で貢献できると考えている。

安心して子育てができるということは必要条件だと思うので。

もちろんこれだけで解決される話ではない。

ほかにも子育てにかかるお金や親のライフスタイルについても書かなければいけないと思うけれど、それはまた今度。

 

とりあえず出生率があがった、ということにしたとして、それだけではどうなのかな?と思う。

たくさんの子どもが増えても、その子どもたちが大人になって瀬戸で生活するということを選ばなければ、

それこそただ税金がかかるだけで、瀬戸市としての課題は解決しない。

やはり、瀬戸市で生活したい!と思うことは不可欠。

しかも、瀬戸市になんとかしてもらいたい、という依存マインドではなく、瀬戸市を自分たちの手でなんとかしていきたい、という

自助マインドが必要。

だから長期的な少子化対策としては、

ここで過ごしたい!という気持ちを育むことと、

自分たちで地域をつくりあげていくんだという当事者意識、自助マインドを育成することが大切。

この2つに、自主学校瀬戸ツクルスクールがどのように貢献できるか。

 

瀬戸ツクルスクールのシステムの基本はいくつかある。

そのうちのひとつ。
たくさんの市民が学校という場に外から関わるのではなく、中で関わる。

イベントではなく、日常の学校生活のなかで直接的に長時間関わる。

 

このやり方であることで、子どもたちが瀬戸市という場所で過ごしたい、と思えるようにできると思う。

なぜならば、そこでは、安心や良好な人とのつながりを育めるから。

 

ツクルスクールでは、直接学校生活で瀬戸に住んでいるたくさんの人と関わる。

しかも、日々の学校生活という比較的長い時間のなかで。

 

そうすることで、子どもたちは肌で瀬戸に住んでいる人たちとの関わりを感じられる。

それは、瀬戸に住んでいる人たちと直接的に顔見知りになれる、ということ。

 

また関わる大人も、子どもと顔見知りになれることで、子どもたちに愛着がわく。見守っているという感覚。

そんな気持ちで関わる大人たちと子どもはきっとよい関係を育める。

そして、よい雰囲気ができると思う。

 

さらに、瀬戸ツクルスクールの考え方でいくと、その人たちは指導者と生徒という上下関係ではなく、横の関係。仲間関係。

こうやって瀬戸に住んでいる人たちと直接的な関わりのなかで過ごす学校生活9年間という長い時間は、

瀬戸という地域に対しても、安心とつながり感を育めるのではないかと考えている。

そして、「安心とつながりをもたらしてくれる地域に住みたいと思うようになる」

ということにつながっていくということはそれほど的外れな考えではではないと思う。

 

もちろんすでにたくさん地域の方が学校に対して関わっている。

毎日の旗持ちや安全パトロールをしてくださっている方々、

いろいろなイベントや裏方としてたくさんの方が学校を支えている

 

しかし、子どもたちからすると、どうしてもその意識というのは持ちにくいのではないかと思う。

これは先日観てきた「みんなの学校」で感じたこと。

それは、「みんなの学校」の映画のなかではスポットライトを浴びなかった子どもたちその映画を観たあとの言葉。

傍から見たら、結構大変な状況で、様々な人がいろんな形で支えているであろう学校。

でも、当の本人たちは、映画を観終った後に、

「あんなにたくさんの地域の人たちに助けられていたんだ。ぼくたち全然知らんかった。」

と言ったそうだ。

子どもたちにとって、やはりメインは先生。

自分たちがどのように地域の人たちに支えられているかはいまいちわかりにくい状況。

この大空小学校の子どもたちは、たまたま映画化されたから、改めて地域の人たちの存在を知ることができたわけだけれど、

このような学校でさえ、地域の人に支えられた、という記憶を持ちにくいのだから、

普通に学校生活をしていて、地域の人たちへの思いを持ちにくいのは仕方がないことだと思う。

 

だから、そこに対する変化として、瀬戸市に住んでいるたくさんの人たちと、

もっと直接的に、日常的に、長い時間、仲間意識で過ごす、ということはやってみる価値はあると思っている。

 

また、安心とつながりを感じられる地域として記憶されるとともに、恩返しの気持ちも地域への想いを育むと思う。

これも「みんなの学校」の子どもたちの言葉を聞いてそう思った。

先ほどの言葉の続きに、

「こんだけしてもらったんだから、大人になったら僕たちもやらんとね。」

自分たちが地域の人たちに育ててもらったという感覚を持てれば、そこで自分たちも過ごしたいという気持ちにつながるのだと思った。

 

 

こういったことからも、瀬戸ツクルスクールのようなやり方は、

「ここに住みたいな~」という気持ちを育める可能性があるのではないかと思った。

もちろん瀬戸ツクルスクールのようなやり方がメインにはならないだろうし、その必要もないと思う。

ただ、こういった長期的な少子化に対する解決策になりうる存在として存在しているということは意味があることだと思っている。