「勇気づけで躾ける~子どもを自立させる子育ての原理と方法」
もともとのタイトルが、
「Children : The Challenge」
日本での初版が1993年2月 私が17歳のとき。
「躾ける」という言葉はちょっと強めな感じを持ってしまう。
「こども:その挑戦!」
子どもも挑戦! 大人も子育てに挑戦!といったニュアンスのほうが私としてはしっくり来ますが、それではあまり売れそうにないタイトルのような気が(笑)
479ページ ずっしりとくる厚さ。
アメリカでの初版は、1964年。
しかし、今読んでみても、多少の差はあるものの、それほど現状が変わっていないような気がする。
全39章
1日2章ずつでも20日かかる。
でもとにかく2章ずつ。
第1章 親の悩み
ざっくりいうと、「親の言うことを聞かなくなった」
そして、それは民主主義の流れのなかで生まれてきた。
「すべての人が平等な社会では、人が人を支配することは許されない。平等とは、ひとりひとり
が自分の力で物事を決定する、という社会。」
大人よりも敏感な子どもたちがいち早くそれに察した。
そんな社会のなかで伝えなければならないのは、服従の仕方ではなく、「自由と責任」
そのためにもまずは大人が
「自分の自由を享受するためにはまず、隣人の自由を保証しなければならない。」
というような、自由と責任の理念を学ばなければならない。
そして、なによりも「対等の関係」築き上げることが大切。
しかし、それには時間も努力も必要。
感想
日本でも早く気づいたのは学生ということになるのかな。1960年代ごろの学生運動とか? そして低年齢化して、1970年代後半から1980年代にあった校内暴力ということになるのか。行為自体はよくないが、「上下関係による独裁への反発」を表現していたのか。
自分自身を振り返ると、中学時代は反発ばかりしていたのは、この「民主主義」をしっかりと受け取っていたからかな そういうことにしておこう
今でもなおそういう状況は続いていると感じる。
結局それは、民主主義とは謳っているものの、社会がそうなっていないということかもしれない。
改めて、「自由」と「責任」を伝えられるようにしたいと感じた。
第2章 子どもを理解しよう
子どもに影響を与えることについての理解を深める章。
子どもの行動の目的の中で、所属願望が主であること。
子どもは優れた観察者であるけれど、解釈下手であること。
そして、それらを基に、3つの影響因について書いてある。
1・家庭環境(家族の雰囲気)
2・家族布置(生まれた順番)
3・一般的な訓練補法
感想
所属願望については、人間ならではの非常強い欲求、というところだと思う。そのためにはマズローの欲求でいう、生理的欲求にすら逆らったりするわけだし。
子どもって「そんなとこは観なくていいわ!」というところほどよく観ていたりする(笑)
そして、あんまりその解釈は合っていない
そして、あっていないまま自分のライフスタイルを決めてしまうわけだから、結構大人になったからといって、正しいことをいっているとも限らないことは、課題に直面したときは思い出したい。
そもそも自分のものの見方は、非常に限られた視野のなかで形作ったものであるということを
そして、人間関係の中で育っていくわけだから、その最初の人間関係である家族や兄弟は非常に大きな影響があることは、子どもを理解するうえでは欠かせない。
ただし、それはあくまで影響因であって、決定因ではない、ということは忘れずに。