教師教育学 第2章

この章では、リアリスティック・アプローチについての前提などが実例を交えて述べてある。

理論や型ありきではなく、実習生の視点や感覚がスタートであるというところが違いだと言えるだろう。

しかも、その視点や感覚が、一般的な教育について、というものではなく、現場(教室)で実際に自分が授業をしたことに基づいて考えをスタートさせるというところが、リアリスティックと言うことの意味のひとつだろう。

また、このアプローチでは、学びを社会構成主義的な視点で捉えている。そして、その実習生がすでに「教育」や「教師」というものに対してすでになんらかの価値観や感情を持っていて、それを無視してはいけない、ということを基本としている。

これを無視してしまうと、なぜこんなに合理的なやり方なのにやろうとしないんだ!という状況に陥って、教師指導者が教育実習生を指導できないということになる。

ここでは、ゲシュタルトという言葉を使って、個人をひとつの分離することのできない全体に統一する事柄としている。そして、それを無視しないことが大事だと。というよりも、実習生の経験やゲシュタルトを出発点とする。

理想的なプロセス

行為と推察が交互に。

1・行為 2・行為の振り返り 3・本質的な諸相への気づき 4・行為の選択肢の拡大 5・試行

そして、最後に、なんのためにこのようなアプローチを提案するのかということが書いてある。

この教育の目的である。

それは、現代社会は、絶えず変化し続ける社会であり、そうである限り、その目的は、「変化と学び」を促進することにある。

としている。

また、そういった力をつけておくことが、いずれその実習生が教師になり、生徒にそういった力を伝えることにつながる。